RADIOHEAD / JUST

街を歩く男が急に立ち止まり地面に横たわる。それに気がつかずに後ろから来た人がつまずいてしまう。その結果集まって来た人みんなが、男に「なぜ道路に横たわっているのか?」を聞こうとするが、男はかたくなにそれを拒否する。しかし最後に男が「その理由」について語る時、何かが起きる…。


このやり取りの現場の横にある建物の中でレディオヘッドが演奏しており、カメラはそちらとこちらをザッピングしながら進んでいきます。そして、この「謎の男との会話」には全て英語字幕が入っています。以下、その会話の翻訳です。*1


つまずいた男(以下、男A)「ああ、すみません。気づかなかった。大丈夫ですか?」
横たわっている男(以下、謎の男)「 ああ」
男A「どうしたんです? 転んだんですか?」
謎の男「いや、大丈夫だ。放っておいてくれ」
男A「 酔っぱらってるのか?」
謎の男「酒は飲んでない」
男A「何故道路の真ん中に横になっているんだ? 危ないじゃないか。えーと、どこか悪いんですか? 何かお役に立てることは?」
謎の男「(叫ぶ)触るな!」
< 何人かの人々が横たわっている男性を見てやってくる>
女性A「この人どうしたの? 転んだんですか?」
男A「そうじゃないみたいです」
男B「怪我してるんじゃないか?」
謎の男「違う。頼むから放っておいてくれ」
女性A「ちょっと頭がおかしいのね」
謎の男「狂っているわけじゃない。放っておいてくれ」
男A「何で横になっているんだ? どうしてどこが悪いか言わないんだ?」
謎の男「言えない。それは正しいことじゃない」
< 警官がバイクで通りかかる>
女性A「この人、気が変なんです。お巡りさん!」
<警官は横たわった男に話しかけるためにかがみ込む>
警官「大丈夫ですか?」
謎の男「大丈夫だ。このまま放っておいてくれ」
警官「残念ですがそれはできかねます」
<横たわった男のそばまで近づく>
謎の男「(叫ぶ)触るな!」
男A「なんでそこに横になっているか教えてくれるだけでいいんだ。教えてくれ」
謎の男「あなたは知りたくないはずだ。信じてくれ」
男A「君は意味なく横たわっているのではないか? 我々がみんな死んでしまうということか? それがここに横たわっている理由か?」
謎の男「違う」
警官「教えてくれ、お願いだ」
謎の男「本当にどうして俺が横になっているのか知りたいのか?」
男A「もちろんだ」
謎の男「本当に? 本当に知りたいのか? それならば教えよう。何故俺がここに横たわっているのか。しかし神は私を許してくれる。そして神は我々すべてを救ってくれる。何故なら君は私に何を尋ねているか分かっていないからだ」
男A「頼む、教えてくれ」
(これ以降は字幕はありません)


PVという極めて短い時間の中で、完全に1つの世界を構築させた秀作。解釈はまぁ、人それぞれというコトで。


監督:JAMIE THRAVES(監督ファイル023
音楽:RADIOHEAD
タイトル:JUST
DVD:RADIOHEAD「7 TELEVISION COMMERCIALS」(amazon.co.jp)に収録
視聴サイト:Yahoo! LAUNCHCapitol Records
関連サイト:FITTER HAPPERDriftwood

*1:あくまでも意訳です。オフィシャルではありません。原文はこちら。ネタ元「Driftwood」。