Sジョーンズ、Mゴンドリー、Cカニンガムインタビュー
最近の雑誌やテレビにおける3人のインタビューで面白い発言をまとめてみました。「DIRECTORS LABEL」DVD発売直前の予習というコトで。全て3人揃ってのインタビューです。
relax=雑誌relax 2004.1号
Cut=雑誌Cut 2004.2号
SSTV=SpaceShowerTV 特番「GREAT DIRECTORS FEATURE」2004.1.24 ON AIR
S=スパイク・ジョーンズ、C=クリス・カニンガム、M=ミシェル・ゴンドリー
- 映像を作るうえで最も大切にしていることは?
S 「僕が大切にしていることはフィーリングだね」
C 「僕もスパイクと同じだね。唯一フィーリングには気を使っている」
M 「僕は彼女をつくりたくてがんばっている。それが唯一の理由だね。昔はドラムをしていたけれどダメだったんだ。だからディレクターになったんだけど…。とにかくドラムはダメだよ。彼女なんて出来やしない!」
(SSTV)
→とにかくミシェルは終始ボケるボケる。リラックスさせようとしているのか、天然なのか…。
- ビデオをはじめたきっかけ
C 「オウテカのビデオを作りたくて、彼らにクラブで会ってビデオを撮る許可を1年くらい待っていたんだ。(中略)つくれることになったけど、最悪の出来だったよ。最悪最低の作品(※「SECOND BAD VILBEL」)」
M 「バンドのメンバーは気に入ってくれたの?」
C 「いいや金曜の夜に電話がかかってきて、がっかりだよ…って言われちゃった(笑)」
(SSTV)
→知られざるクリスの原点。オウテカもそんなに冷たく言わなくていいのに。
- それぞれの作品について
S 「クリスのではエイフェックス・ツイン「Windowlicker」かな。スクエアプッシャーのビデオ(※「COME ON MY SELECTOR」(作品ファイル073)も最初に見た時「何て楽しい作品だ!」って思ったよ。
(relax)
インタビュアー「これはやられたと、というのがあったら教えてください」
C 「ミシェルのホワイト・ストライプスのビデオ!」(※「HARDEST BUTTON TO BUTTON」作品ファイル074)
M 「あのビデオ嫌いって言ってなかったっけ?おっぱいが映ってないから」
C 「違うよ、嫉妬したって言ったんだよ。僕もあれと同じことをやろうとしてたから。(中略)だからあれを見た時、ファック!僕がやろうとしてたのに!!!って思ったんだ」
(Cut)
M 「時々クリスの方が僕より上手にやっていると思って恥ずかしくなってしまう」
C 「そんな話は初耳だね」
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C 「ミシェルのビデオを観た時はとてもショックを受けたよ。まるでマジックやイリュージョンを観ているかのような感覚に襲われたんだ」
M 「ジェラシーを感じた?」
C 「あぁ」
M 「それが聞きたかったんだよ!」
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C 「(スパイクの)ファーサイドのビデオ(※「DROP」)には衝撃を受けたね。とてもマジカルな作品だと思う」
M 「彼は映像の止め方を知ってるね」
C 「そう、すごいアイディア。とにかく素晴らしい!」
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S 「ミシェルについて一つ補足したいのは、彼の作品はどれも斬新でなによりとても繊細だということ。子供のアイディアのように新鮮でなおかつとても洗練されているんだ。例えばあのレゴのビデオ(※「FELL IN LOVE WITH A GIRL」作品ファイル021)のように」
(SSTV)
→他人に嫉妬しても、相手が自分に嫉妬すれば帳消しにするミシェル。それに対して1番大人発言のスパイク。PVから受ける印象と随分違うなー。
- 家族の評価
C 「うちの母親に「Come To Daddy」(作品ファイル023)を見せたら、半分くらい見たところで立ち上がってキッチンに行き、食器を洗いはじめたよ(笑)」
(relax)
M 「息子はクリスのことをすごいクールだって!(中略)彼は12歳なんだけど「この人はお父さんより凄いよ!」だってさ。「お父さんの映画は最悪だね。誰も見ないよ」と言われたりもするんだ。「けれど別に気にしなくていいんだよ!自分が気に入ることが一番重要だからさ」だってさ(笑)」
(SSTV)
→クリスもよりによって「Come To Daddy」見せなくても。ミシェルの息子コメントもかなり面白い。
- 今後誰のPVを撮りたい?
C 「僕はジャスティン・ティンバーレイク(笑)」
M 「僕はマイケル・ジャクソンのビデオを作りたいよ。新しいマイケル・ジャクソンの音は違うんだよ!」
S 「うーんと、アウトキャスト(笑)。彼らの曲はいつもヘッドフォンでかけてるぐらい好きだし」
(relax)
M 「僕、エアロスミスにビデオを作りたいって言ったよ」
S 「僕も」
インタビュアー「本当に?」
S 「でもボツだった。12歳の女の子が生まれて初めてロックコンサートに行くっていう企画だったんだけど。(中略)それでバンドに話したら、ジョー・ペリーに「姉ちゃんはいつ出てくんだよ?T&Aなしで俺達のビデオは出来ねーよ」って言われて」
M 「T&Aって何?ティーンエイジャーのこと?」
S 「違うよ、TITS(乳)とASS(ケツ)だよ」
全員 「(爆笑)」
(Cut)
→T&Aって業界言葉なんでしょうか?ミシェルのマイケル・ジャクソンPVはぜひ見てみたい。
- ビョークとの仕事について
S 「It's Oh So Quiet」は聴いた瞬間にタップダンスじゃなきゃいけないって思った。そこで彼女に電話して「現代の生活感のある空間でのタップダンス、タイヤショップ、バス停など、これだけアイディアがあって」と言ったんだ」
(relax)
C 「彼女は一方的にああやって欲しい、こうやって欲しいって押し付けるんじゃなくて、僕が今どんなことに興味があるのかを知った上で、そういうアイディア(カーマ・スートラの人形を持ってきた)を提案してきたんだよね」
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M 「ビョークのすごいところは、僕が気付いてない僕の中にある才能を引き出してくれるところなんだ。(中略)だから僕はビョークが言うことを何でも吸収するようにしてるんだ」
(Cut)
M 「僕もビョークの作品をやったことあるのに、みんなが好きなのは彼らの作品ばかりなんだ。みんな僕に「あのストリートでダンスする作品が好き!」って言うのさ。結局みんながいつも思い出すのはクリスとスパイクの作品ばかりなのさ(笑)」
(SSTV)
→ここでもボケ倒すミシェルですが、ビョークの話になるとちょっとマジ。
- 音楽と映像の関係について
C 「僕はビデオの役割って究極的には、例えばジョナサン・グレイザー(監督ファイル016)が作ったレディオヘッドのビデオみたいなのが理想的だったと思うんだ。夜のビデオで人の夢の中に入っていくみたいな感じの("Street Spirit")」
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M 「僕にとってのビデオは、(中略)音楽の中にそ〜っと入り込んでいく感じのがいいと思う。まるでそこに最初からいたみたいに」
(Cut)
→もしも「DIRECTORS LABEL」に続編ができるのなら、ジョナサン・グレイザーとかがいいなぁ。
- 「DIRECTORS LABEL」仕掛け人、リチャード・ブラウンのインタビュー
「3人ともすごく仲がいいんだけど、特にミシェルはスパイクにライバル心を燃やしているんだ。スパイクのDVDには、ほぼすべてのアーティストからのコメンタリーが入ってるんだけど、それを見たミシェルは「同じものは作りたくない!僕は自分の夢を題材にしたドキュメンタリーを撮る!」って言い出して。それが締め切りの3週間前(笑)。(中略)夜中の2時にミシェルが「アイディアが浮かんだんだけど」と言い始め、「今は無理だよ」というスタッフの言うこともきかず、「いやいや、今、撮影しなきゃ」って。しょうがないから撮影して、すぐ編集して…」
(relax)
→ミシェル絶対現場では嫌われていると思う。